
5.7.6評価
本プロジェクトのフィージビリティの一つの観点として財務分析により、事業の採算性、投資効率等の整理を行った。
結論としては、分析で用いた前提条件の範囲内で本プロジェクトは南ア国における収益プロジェクトのガイドラインを上廻っており、財務的にフイージブルであると考えらる。
しかしながら投資コストの収益性からみると、圧倒的に有利なプロジェクトとは言い難く、単純に民間セクターの収益事業として理解すると、投資意欲を呼ばない事も予想される。分析では民間ベースの事業との前提を置いたが、一般公共の用に供しかつ外部効果の大きい交通事業の場合、公共部門が参加する事業としての条件を十分に満たしており、事業の成立を促進させるためにもケープタウン市等公共セクターが関与していく事が望まれる。
次に事業のリスク面では、第一に低利借入金の導入が絶対条件であり事業の公共性に配慮した有利な借入条件を適用する必要がある。
リスク要因を軽減する面では建設費圧縮による効果が大きいことから、建設費の大半を占める車両コストの低減を図るのが重要と思われる。このため、車両製造面での国内調達比率を高める、あるいは外国技術ライセンスの導入等が検討に値するものと考えられる。
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